精油について3回にわたりお話しさせていただきましたが
そもそもアロマセラピーって何なのか・・・
改めてお話ししていこうと思います。
「いい香りでリラックスするもの」
というのももちろん間違いではありませんが
アロマセラピーはそこから始まったわけではないんです!
1.アロマセラピーという言葉
フランス人科学者である「ルネ・モーリス・ガットフォセ」が
精油やエッセンスの医療への利用について
「Aromathérapie」という著書を発表したのが始まりで
aroma=芳香・thérapie=療法を組み合わせた造語です。
彼が実験中に火傷を負い、悪化した傷をラベンダー精油で
治療したお話は、アロマセラピーのテキストにも必ず載っている
有名なお話です。
英語のAromatherapy(アロマセラピー)と、
フランス語のAromathérapie(アロマテラピー)は
同じ意味です。
その後療法からさらに発展して、癒しやリフレッシュなど
様々な広い意味を含むようになっていきました。
2.アロマセラピーの定義
精油(エッセンシャルオイル)を利用して
心身に対するお悩み・不調の原因を探ったり
ご希望を加味しながら
人間の心と肉体・精神・生活スタイルの問題を
全人的(ホリスティック)に捉えて
健康増進や美容に役立てる自然療法の一種です。
これは精油(エッセンシャルオイル)を使用する
以外のところは、あらゆる自然療法について
共通の考え方かと思います。
特に「全人的(ホリスティック)」という
考え方がとても重要で
自然療法では、心と肉体・精神・生活スタイルなどの
問題を別々に考えて、局所的に対応するのではなく
全てを1つの人物像として捉えることが特徴です。
3.どうして精油を使うのか
精油には、様々な成分(有機化合物)が含まれています。
それぞれが人間や環境へ及ぼす色々な作用を持っていて
これらを利用することが出来るからです。
人に使用する場合は以下の経路で、
精油成分を取り込むことが可能です。
<嗅覚から脳へ>
嗅覚は他の感覚と比べて、進化の過程で早期に発達した
「原始的」な感覚です。
他の感覚は大脳新皮質でその情報を受け取ってから
大脳辺縁系に伝えるのですが、嗅覚からの刺激は
直接的に大脳辺縁系に伝わります。
その刺激は更に、視床下部という自律神経の最高中枢に伝わり
身体の調節に関わるので、イライラを和らげたりストレスを軽減するなど
心身のバランスをとってくれます。
<皮膚から全身の血管へ>
皮膚にはバリアゾーンがありますので、
簡単に異物を侵入させることはありませんが
精油成分は分子構造が小さいことと
脂溶性のため、容易に皮脂膜や角質層を通過して
毛細血管から血液中に溶け込み、全身に運ばれます。
<呼吸によって肺へ>
精油の芳香成分が、呼気とともに気管支から肺に入ることで
精油の種類によっては、呼吸器のトラブルに作用する他
一部の精油成分は肺胞から血管内に入って
皮膚からの経路と同様に、全身に運ばれます。
更に僅かではありますが、鼻粘膜から吸収されて
血液に入る精油成分もあります。
精油の成分は本当に多種多様で、
まだ完全には解明されていない組成もあります。
それらも含めて、1つの植物の精油成分を丸ごと生かすことが
固有の成分だけを使用する薬とは異なる点です。
植物は生まれた土地を動くことなく
生きていかなければなりませんので
自らの健康管理を自前で行なっているとも言えますよね
ある意味動物よりすごい能力!知恵ですよね。
そんな植物の恵を頂いて、あなたも心身の健康に役立ててみませんか?
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